Column.16
祝・日本遺産決定!やきものに恋しよう♥瀬戸&常滑の旅
「きっと恋する六古窯―日本生まれ日本育ちのやきもの産地―」
愛知からは「常滑」「瀬戸」が選出!
瀬戸、越前、常滑、信楽、丹波、備前のやきものは「日本六古窯(ろっこよう)」と呼ばれ、縄文から続いた世界に誇る日本古来の技術を継承している、日本生まれ日本育ちのやきもの産地。
この六古窯が申請した「きっと恋する六古窯-日本生まれ日本育ちのやきもの産地-」のストーリーがこのたび日本遺産の認定を受けました!
[下部の写真]
左から1番目・2番目:「瀬戸焼」 左から3番目・4番目:「常滑焼」
■「日本遺産(Japan Heritage)」ってナニ?
地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が「日本遺産(Japan Heritage)」として認定。文化財の重要性はもちろん、ストーリー性があるか?もポイントになります。
■「日本六古窯」ってナニ?どういうところ?
この6か所(瀬戸市、常滑市、福井県丹生郡越前町、滋賀県甲賀市、岡山県備前市、兵庫県篠山市)は、鎌倉・室町時代を代表する古窯で、昭和23年ごろに、古陶磁研究家 小山冨士夫氏によって命名されました。いずれもよく知られるやきものの町であり、中世から連綿とやきものづくりが続けられてきたこと、また今でも日本の原風景というべき懐かしい町並みが残されていること…時空を超えた旅に癒されるまちです。
■愛知の「瀬戸焼」と「常滑焼」をおさらい!
美しく精巧な磁器が有名な「瀬戸焼」
陶磁器の総称として「せともの」と呼ぶほど、昔から広く有名だった「瀬戸焼」。器の強度を高めるために釉(うわぐすり)をかけて焼くという技法をとっていたのは、中世期では瀬戸焼だけで、京や有力な寺院を中心に使われていたとか。明治時代に万国博覧会で出品されて高い評価を得たのを機に海外からの注文が増え、世界に瀬戸の名が広まりました。
お茶を美味しくする急須が人気「常滑焼」
常滑焼は六古窯の中でも最も古くて大規模だったといわれ、大型の壺や甕などが広く流通していました。常滑焼の特徴のひとつが、原料に含まれている鉄分を赤く発色させる技法。酸化鉄を多く含んだ陶土で作られる常滑焼の急須は、お茶を入れると酸化鉄がお茶のタンニンに反応して、苦み渋みがほどよくとれ、まろやかな味になるといわれています。
★ちなみに「招き猫」にも違いがあるのです!
招き猫生産量日本一は「常滑」。招き猫の特徴である「二頭身のふっくらした身体つき」「大きな垂れ目」「抱えられた小判」は常滑系といわれています。
対して「瀬戸」の招き猫は…?スラッと細身で、本物の猫のようなプロポーション。磁器が中心の瀬戸焼らしく、なめらかな磁器の肌を持つ、クラシックかつスマートな招き猫です。どちらも素敵ですね。
[下部の写真] 左:常滑の「招き猫」右:瀬戸の「招き猫」
※それぞれいろんなタイプの招き猫がいますので一例です。
●じっくり楽しみたい方に
<見る・買う・体験>スポットで楽しむ「瀬戸」
瀬戸蔵・瀬戸蔵ミュージアム
瀬戸焼の総合ミュージアムをはじめ、やきものショップやレストランも併設。ミュージアムは<瀬戸の20世紀>をテーマに、石炭窯や陶房などを復元しています。
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窯垣の小径
窯道具を積み上げて作った塀や石垣の呼称が「窯垣」。全国でも瀬戸でしか見られない景色です。この窯垣をつないだ約400mの細く曲がりくねった坂の多い路地を「窯垣の小径」といい、その昔は陶磁器を運ぶメインストリートだったところなんですよ。周辺には、窯元・ギャラリーが多くあり、せとものの街の風情が楽しめます。
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新世紀工芸館
次世代につながる陶芸とガラス工芸をテーマにした施設。気鋭の作家の作品展示や、研修生の制作風景を見学でき、作家さんの器で飲み物を楽しめるコミュニティルームや作品を購入できるギャラリーもあります。
瀬戸染付工芸館
瀬戸の伝統的なやきもの「瀬戸染付」をテーマにした施設。歴史的名品の展示や、研修生の作陶風景を見学できるほか、絵付体験コーナー、研修生・修了生の作品販売コーナーもあります。市指定文化財「古窯」も保存されています。
愛知県陶磁美術館
縄文時代から現在に至る陶磁器を総合的に展示する美術館。 敷地内にはレストラン、陶芸作家さんの器でお茶を楽しめる茶室、作陶の体験(←安価)ができる陶芸館も併設しており、1日中楽しめます。
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ノベルティ・こども創造館
セト・ノベルティ(陶磁器製の置物や装飾品の総称)の技術や文化を見学・体験できる施設。 粘土をはじめ、さまざまな素材を使っての作品作りができますよ。
招き猫ミュージアム
「招き猫」を常時数千点展示する日本最大の招き猫博物館。歴史、寺社もの、主要産地別などに分類され、日本文化の一面を伝える見ごたえのある展示となっています。招き猫の染付体験もできるので、自分だけのラッキーキャットを作ってみては。
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●散策も楽しみたい方に
ぐるっと周遊コースで楽しむ「常滑」
◆やきもの散歩道Aコース(1.6km/約1時間)
レンガ造りの煙突や窯、陶器の廃材を利用した坂道など独特の雰囲気と歴史を感じます。
陶磁器会館
やきもの散歩道の出発点となる陶磁器会館では、常滑焼の展示即売も行っています。会館の前には、かわいい「赤いバイクに乗っている招き猫」のポストがありますよ。
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とこにゃん&とこなめ招き猫通り
巨大な招き猫(幅6.3m・高さ3.8m)が頭上からのぞいているかのようなモニュメント「とこにゃん」は、感激のデカさ!道路沿いのコンクリート壁には作家さんたちが作った個性的な招き猫が50体も並べられており、散策も楽しいストリートになっています。
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土管坂
常滑を代表するフォトジェニックな風景がココ。廻船問屋瀧田家から南に10mほどにある土管坂は、明治期の土管と昭和初期の焼酎瓶に覆われた風情ある場所です。坂の頂上左側には見晴らしのいい休憩所もありますよ。
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登窯
日本に現存する登窯としては最大級と言われています。昭和57年に国の重要有形民俗文化財に指定されており、窯の中も見学できます。
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◆やきもの散歩道Bコース(4km/約2時間30分)
INAXライブミュージアムやとこなめ陶の森などをまわるコース。
途中でオシャレなカフェやギャラリーに立ち寄ってみたり、のんびりと歩いてみましょう。
INAXライブミュージアム
「世界のタイル博物館」「窯のある広場・資料館」「土・どろんこ館」「陶楽工房」「ものづくり工房」「建築陶器のはじまり館」の6つの館からなる陶器のテーマパーク。ものづくりを見て学んで体験できる参加型の施設です。
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とこなめ陶の森
資料館、陶芸研究所、研修工房の3施設を総称した「とこなめ陶の森」。施設周辺は緑豊かな森になっているので、森林浴&森の中に点在するやきもの探しはいかが?
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