Column.03
バスツアーの裏側に潜入♪マニアックだけど面白い!「奥三河再発見」ツアーの秘密
手付かずの魅力を発信する小さなツアー
「とてもマニアックだが面白いツアー」と旅好きに知られた、豊鉄バスツアーの『奥三河再発見』シリーズ。
スタートして今年で6年目ですが、設楽町の森でメイプル樹液の採取体験をしたり、奥三河に伝わる伝統行事「花祭」を見学したり…と他のツアーではまず体験できないような地元密着の内容が魅力です。
この一風変わったツアーについて、企画・販売を行っている豊橋鉄道株式会社事業部の鎌田俊一課長と中田修さんに話をお伺いしました。(以下敬称略)
「奥三河再発見」はどんなツアーですか?
【鎌田】 少子化や過疎化などで、元気がないと言われている奥三河ですが、人里離れている分、他の地域では見られなくなった手つかずの自然や文化が数多く残されています。そんな素晴らしい自然を観光資源として、スポットライトを当てたのがこの「奥三河再発見」ツアーです。
代表例でいうと「茶臼山芝桜まつり」へ行くツアー。平成20年からはじまった「茶臼山芝桜まつり」ですが、茶臼山に行くには自家用車しか手段がありませんでした。そこで、平成21年から「奥三河再発見」でツアーを企画し、バスで乗り入れることができるようにしたところ大好評。多くのお客様にご利用いただく人気ツアーに成長しました。
鉄道会社ならではのツアーですね
【鎌田】 当社の奥三河地域との関わりは非常に深く、古くは田口鉄道、現在は路線バスで地域のみなさまの足となり、地元の方々にとてもお世話になっています。そんな地元の方々に、観光の面から少しでもお力になれたら…ということで始まった奥三河再発見ツアーですが、多くの方に「どうして鉄道会社がツアーを企画するの?」と聞かれます。
その答えは、“地域と共に歩む”という当社のポリシーにあります。このツアーは奥三河の魅力を多くの方へお伝えするとともに、地元の方々に対しては「地域貢献」という側面もあります。
ツアーでは、「清水のチョウチン祭り」など小さな集落の素朴な祭りにもスポットライトを当てていますが、これは他では真似できないことでしょう。なぜなら小さな祭りは、年1回しかできませんし、時には受け入れもままならないケースもあるからです。
当社では、必ずスタッフが現地に入り、調整し、ツアー実施の際には、お客様だけでなく地元の方にも安心していただけるように努めています。とても小さなツアーですが、だからこそ地域と共に歩む鉄道会社ならではのツアーだと自負しています。
「奥三河再発見」はブーム以前の原石みたいなツアーなんですね!
【中田】 それがこのツアーの魅力です。奥三河には、魅力があるにも関わらず、あまり知られていない観光資源がたくさんあります。実際に現地に行って、話をして、プランを練り、地元の人たちとともに魅力の発信に取り組んでいます。もちろん、地元の人が観光客を受け入れるのに、十分な理解と時間が必要なケースもありますし、プランの実現に関しては常にいろんな難しさがありますが、お客様がツアーに満足してくれて、「よかったよ!」と声をかけてくださることが僕のやりがいになっています。
最近の人気はどんなツアーですか?
【中田】 最近のヒットは、国の重要無形民俗文化財である東栄町の「花祭」のツアー。花祭は夜通し行われる祭りなので、仮眠室を用意して、現地の人と同じように夜通し参加できるようになっています。これは、遠くは東京や大阪からも参加されるんですよ。
「奥三河再発見」はまだまだ小さなツアーですが、いろんな地域の方に奥三河の魅力を知っていただけるよう、こだわったプランを作っていきますので、ぜひ一度参加してみてください!