Column.55
感染予防をしながらあいち観光を楽しもう!
~感染防止の取り組みを紹介~
博物館 明治村
明治期の貴重な建造物を移築し、保存・公開しているテーマパーク「博物館明治村」。体験コーナーやボランティアガイドなど、一部を除いては感染予防対策のうえ再開しています。2021年夏、ナイター営業「宵の明治村」を予定通り開催。
※2021年「宵の明治村」は終了いたしました。
あまりに広すぎるテーマパークは、感染対策も安心すぎる施設だった
約100万m²の広大な敷地には、60を超える(重要文化財11件、愛知県指定文化財1件)建造物が建ち、当時の蒸気機関車や京都市電が走っています。
とても美しく楽しい場所なのですが、ただひとつ悩みの種が。それぞれの建物が面白過ぎるし、あっちもこっちもと歩いていたら、とうてい1日ではまわりきれない、ってことです。
そこでおすすめは、建物や謎解きが好きな人は、3回行けば元が取れる1年間の「明治村住民登録」。期間限定イベントのほか、四季の美しい自然も楽しめるので、何度も訪れる価値ありです。
「密」が発生しにくい環境
さて明治村では、感染予防として「一般的な対策をきちんと行う」ことを徹底しています。
感染症対策専門家会議の発表によると、①換気の悪い密閉空間、②多くの人が密集、③近距離での会話や発声、という3つの条件が同時に重ならないように注意することが重要とされています。明治村に置き換えてみると、敷地が広いこともあり、これらの状況に陥ることはほぼありません。そのため、各建物の予防体制を確認したのち、再開に踏み切ることができました。(現在も休止しているのは、暗闇の中を歩くアトラクション『暗夜行路』や明治のくらしよろず体験コーナー、ボランティアガイドさんのガイドツアーなど。多くは感染予防対策のうえ再開しています)
黙々と楽しむ「謎解き」がおすすめ
ちなみに明治村の人気コンテンツである「謎解き」は、コロナ禍の遊びとして、とてもおすすめなんだとか。
「謎解きはもともと1人~少人数で行うゲーム。他の参加者がそばにいたとしても、ヒントや答えを見たり聞いたりしないようにお互い近寄らないし、静かに楽しむものなので、安心して遊べるんです」(学芸・催事担当 反端一也さん)。
確かに、実際に村内を周って様子を見ていても、皆さん、お互いの距離を保って謎解きを楽しんでいる様子。しかも、かなりの運動にもなるので、ステイホームでなまった脳も身体もしっかり鍛えられますね!
▲現在は感染症予防対策のため、これまでとは形を変えたりしながら開村中。感染状況によっては臨時閉村等もあるので、事前にHPや受付等で確認したうえで、巡回するルートを決めておくのがおすすめです。
▲来園者に人気の「帝国ホテル中央玄関」。出入口をひとつにまとめ、触れずに建物そのものを見学するスタイルになっています。
▲各飲食店では、それぞれの利用状況に合った対応を行っています。卓と椅子の数を減らし、少人数グループで利用してもらうようにしています。
▲村を巡回する村営バスは常に少し窓を開けた状態で走行。車内は1人席が主で、風通しがよく、快適です。
▲「この蒸気機関車、国内テーマパークでは一番早く再開したんですよ」と機関士さん。「この昔ながらの“鎧戸”と“換気口”もあり、車内の換気は安心。明治の暮らしは現代にも役立つものがたくさんあるんです」と胸を張ります。すごいぞ、明治時代!
▲こちら「呉服座(くれはざ)」をはじめ、建物の見学制限箇所を案内する「建物ガイド」を4ヶ所実施しています。(通常時は6ヶ所)
まず手指の消毒の後、白手袋と見学日時や場所の入った小さな色紙を渡されます。この用紙は、もし感染した場合に保健所や明治村への連絡に必要になるため、2週間は手元に保管しておいてほしいとのこと。
▲呉服座(くれはざ)では以前は、ガイドさんとともに奈落や廻り舞台を見学していましたが、升席で説明を聞く形になりました。残念ではありますが、その分ガイドさんが、その大きさや様子がわかるように写真を見せたり舞台のすみずみを走ったりしながら熱の入った解説をしてくれました!
▲女学生風の矢絣袴・書生服を試着できる「ハイカラ衣装館」は、最近再開されました。
受付人数を制限(15分間隔の入れ替え制)して1組2名での利用をすすめています。謎解き参加者や村内見学者がむやみに館内に入らないよう、入口前に注意書きもしています。
▲入場するには、貸出用手袋を着用。靴下を履いていない場合は、足裏への消毒も必要になります。着替えのためのスペースは、狭いながらも入退室者が重ならないようにきちんと動線を分けています。ちなみに、試着した衣装は、すぐに消毒し、その後洗濯されています。
今夏、ナイター営業「宵の明治村」を予定通り開催。「今は、来村者の方々も、どのように行動すべきかわかっていらっしゃるので、注意事項の掲示やちょっとした声掛けで対応するようにしています。やはり楽しむ場所ですから、窮屈感ではなく、信頼感で感染対策を進めたいという思いがありますね」。(学芸・催事担当 反端一也さん)。
どんな場所でもルールを守って、素晴らしい施設を思いっきり楽しみたいですね。
※2021年「宵の明治村」は終了いたしました。
※本ページにてご紹介している内容は、令和3年7月に取材したものです。
Spot Overview
博物館 明治村犬山市
明治期を中心とする60以上の歴史的建造物を移築、保存、展示する野外博物館。高度経済成長の影で消えゆく貴重な明治期の建造物を何とか保存したいと建築家・谷口吉郎氏と名古屋鉄道社長(当時)の土川元夫氏の同窓生の二人が力を合わせて昭和40年に開村、平成27年に50周年を迎えました。