Column.56
感染予防をしながらあいち観光を楽しもう!
~感染防止の取り組みを紹介~
トヨタ産業技術記念館
名古屋駅から徒歩圏内で行ける人気の観光スポット、トヨタ産業技術記念館。緊急事態宣言による休館中に、再び安心して見学してもらえるように、多くのアイデアを出し合いました。
「行ってよかった工場見学」みんなが認める人気施設はやはりスゴかった
トヨタ産業技術記念館では、トヨタグループの創始者であり織機の研究に一生を捧げた豊田佐吉と、彼の息子でトヨタ自動車創業者の豊田喜一郎が二代にわたって築きあげてきた「発明とものづくりの心」を紹介しています。
当時の工場建屋の雰囲気を残す「繊維機械館」「自動車館」では、当時の織機が実際に動いている様子を見て感動、歴史に刻まれた自動車のデザインにまた感動、自動車製造のカッコよさにまたまた感動!やはり本物がこれだけ並ぶと、圧巻というより他ありません。
入館チェックは空港がお手本
さてそんなトヨタ産業技術記念館では、緊急事態宣言による対応で3か月間休館したのち、2020年6月11日に再開しました。休館中は、再び安心して見学してもらえるように、多くのアイデアを出し合ったといいます。
その特徴的な改善策は「入館までのチェック体制」。
こちらはもともと、正面入口、南入口、東入口の3か所から入館できましたが、現在はそのうち東入口のみを入口としています。なるほど、人が入るところを1か所に集約させる水際作戦ですね! でも、なぜ正面入口ではなく、わざわざ東入口なのでしょうか。
「入館の動線確保のためです。サーマルカメラは、非接触で瞬時に計測できますが、体表面温度を測るため、施設に入ってすぐの検温では、正確な数値が出ないことがあります。そのため、冷暖房のある場所で一定の時間、滞在させて体温を安定させる場所が必要でした。東入口は、広くまっすぐな廊下になっているので、50m先に検温場所を置くことで、そこに至るまでのスムーズな動線作りに最も都合がよかったのです」(榊原 広報グループマネージャー)。
この方法、実は空港で実際に行われている対策を参考にしたもの。空港に電話をして、現場ではどのようなことが起こるのかを確認したうえで、ここに合う方法をシミレーションしたのだとか。さすが、トヨタ生産方式を生み出した拠点、感染対策もすべて合理的です。
普段のように楽しんでもらいたい
「当然、日本博物館協会制定の『博物館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン』に基づいて対策を行っていますが、自主的にかなり厳しめの基準を設けて再開しました」。
最初は予約制の採用、個人客のみ受付。滞留しやすいと思われる実演の休止。その中で、安全が確認できる部分に関しては、徐々に緩和しており、いまでは9割程度は再開できているそうです。
「やはり皆さんに喜んでいただける施設でありたい。今秋は企画展も再開しますし、そのためには、私たちができることをきちんと継続しながら、ストレスなく楽しんでいただきたいと思っています」。
私たちが気持ちよく過ごすために、裏ではこんなにも多くの心遣いがあったことに、あらためて感激。ぜひ、安心して遊びにきてくださいね!
▲入場には、マスクの着用は必須(3歳以上の方)。検温を行うため、入口は東入口のみ1か所となっていますのでご注意ください。出る時は、これまで通り正面玄関や南出口を利用できます。
▲適切な入場者数を保つため、時間毎の入場者数を制限しています。平日は予約不要ですが、土日はホームページ等から予約が必要。予約時に送られたQRコードをかざせば、連絡先の記入などの手間なく入館できます。人を滞留させず、密を避ける工夫のひとつです。
▲子どもたちに人気のテクノランド。定員150名を30名に減らして、かなりゆったりと遊べるようになりました。50分の利用時間も30分に減りましたが、待ち時間がないので、ひととおり遊べると思います。不特定多数が遊具に触れるアスレチック(キッズコーナー)、こどもライブラリーは休止中です。
テクノランドを利用した保護者から「公園などで遊ばせると、子ども同士すぐに密になってしまって心配だったけれど、ここなら本当に安心して遊ばせられる」との声も。確かに、たった30名での貸し切りなので、安心だし、ゆったりできますね。
▲マスク着用の基準は3歳以上となっていますが、1、2歳でもマスクが必要な唯一の場所が、最大風速15m/sで空気抵抗を体感する「風に向かって立て」。もちろん使用ごとに消毒、換気を行っています。
▲繊維機械館や自動車館でも体験後、手指消毒が出来るように消毒液を設置しています。
▲レストラン入口の消毒。足踏み式だと子どもの顔に消毒がかかってしまうことから、子ども用にポンプ式の消毒を設置しています。かわいいキャラクターで消毒したくなる工夫がうれしいですね。ちなみにレストランではマスク置き用のビニール袋を用意してくれたり、オゾン発生装置を設置していたりと、様々な工夫をしています。
▲動力の庭を開放しており、飲食も可能。どんな場所にもスタッフが目の届く場所にいて、密になる場所ができないように気を配っています。
▲様々な観光施設のパンフレットが置かれていたラックをすべて撤去。見学に必要なパンフレット類は、スタッフの目の届く場所に置くことにしました。
▲館内各所に、ソーシャルディスタンシングマークと消毒ボトルを設置。
トヨタ産業技術記念館では様々な企画展・イベントやワークショップを実施しておりますので是非ご覧ください。
※本ページにてご紹介している内容は、令和3年7月に取材したものです。
Spot Overview
トヨタ産業技術記念館名古屋市
繊維機械産業から自動車産業へとめざましい進化を遂げ、現在では世界の自動車産業を牽引するトヨタグループ。そのルーツは明治44年(1911)に創設された旧豊田紡織本社工場にさかのぼります。世界のトヨタ発祥の地である同地に、貴重な工場建物を利用する形で開館したのがトヨタ産業技術記念館です。(旧名称 トヨタテクノミュージアム産業技術記念館)