もうひとつの田舎を見つけよう 愛知のてっぺん豊根村で ブルーベリージャム&ピザ体験! ―あさがね農園(豊根村) | 【公式】愛知県の観光サイトAichi Now

あさがね農園

Column.42

もうひとつの田舎を見つけよう 愛知のてっぺん豊根村で ブルーベリージャム&ピザ体験! ―あさがね農園(豊根村)

愛知のてっぺん・豊根村の山奥で発見!もうひとつの田舎、それが観光型自然農園「あさがね農園」です。ここでは、ブルーベリー狩りやさつまいも掘り、山菜摘みなど四季折々の自然体験ができる…のですが、不思議なことに、ここを一度訪れると「また来るね!」と言いたくなってしまう魅力があるのです。コラムにまとめてみましたので、まずは覗き見してみてください。

豊根村で見つけたのは…

愛知県をカンガルーに見立てると、しっぽの先端、つまり長野県との県境にあるのが豊根村です。9割が山地というだけに、どこもかしこも山だらけ。そんな豊根の山道を通りがかった時に「あれ、ここは?」と驚いた場所がありました。うっそうとした山から突然拓けたその場所には、大きなログハウスが建っており、傍らに重機が残されていたことからも、何か大きな施設の工事中であることがわかりました。
そして2年後、その謎がようやく解けたのです。

村のため楽しみのため

いよいよ旬を迎えるブルーベリー農園で、観光客に人気のジャム体験をしようと訪れた「ブルーベリー浅金(あさがね)/あさがね農園」。ここが、まさしくその場所でした。芝生が張られ、川が流れ、以前見かけた時よりかなりの進化を遂げています。

あさがね農園

「この場所はもともと工事の残土を入れていたところ。土建会社をしていた私の父がこの場所をブルーベリーの観光農園にしようと整備しはじめたんです。だから、当時よりいろいろと増えているでしょう」と笑うのは、あさがね農園の長谷川歩さん。
ベテランの職人さんが設計図を書かずに5年かけて建てたという大きなログハウスに、ピザ窯、ジャムやスイーツの加工や体験プログラムを行う加工場、貯蔵用の室、炭焼き小屋、川遊びをする谷川まで整備しているというから驚きです。この日も何か建てていたようだし、思いのままにどんどんと形作られていく様子に、まるで子どもが砂場でダムや城を造っていくような純粋な思いを見たのでした。

  • あさがね農園
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試行錯誤のブルーベリー農園

そして、観光農園としての整備と同じくして、ブルーベリーの栽培をはじめたのですが、軌道に乗るまではなかなかうまくいかず、何百本とダメにしたといいます。土のph値を調べたり、栽培方法を研究したりといった数々の試行錯誤の末、ブルーベリーに最適な土の改良によって、ようやく満足のいく良い果実がなるようになりました。
寒冷地である豊根村では、果実が大きいノーザンハイブリッシュ系ブルーベリーが多く作られています(観光農園11か所、農家20か所)。皮が薄くて種が小さいので、舌触りが滑らか。完熟時に酸味と甘みのバランスのピークがくるので、完熟実を選んで食べられる「摘み取り体験」が一番美味しい楽しみ方。そして、完熟果を使ったブルーベリージャムの手作り体験もおすすめです。

あさがね農園

 
自分好みに仕上げるジャム作り

ジャム作りはとても簡単。ブルーベリーを火にかけて、砂糖を加えるだけで、できあがりです。当然誰でもできるのですが、なぜか作る人によって出来上がりが違うというのが面白いところ。

ジャム作り

弱火で作るとフルーツソース風に、煮詰めるとジャムに、粒感を残すならゆっくりと、滑らかに仕上げるなら木べらをよく動かして…。普段料理をしないというある男性は「ジャムってこんな風に作るんだ!」「意外と美味しくできたなァ」としきりと感激していました。きっと明日の朝はパンに塗って楽しむのでしょうね。

  • ジャム作り
  • ジャム作り

 
本格ピザ窯で焼き上げるMYピザ

そしてお次は、立派なピザ窯で、昼食は手作りピザを楽しみます。生地をまるく伸ばし、トマトソースを塗り、野菜やチーズをたっぷりとのせていきました。

  • 手作りピザ
  • 手作りピザ
  • 手作りピザ

あっという間に焼きあがったアツアツのピザは格別の味。「これ、ソースがとても美味しい!」「にんにくの芽をのせたピザなんてはじめて」と驚きの声があがります。それを聞いた歩さんは「それは全部、うちの畑で作った野菜なの」とうれしそうに答えました。

手作りピザ

 
見つけた、もうひとつの故郷

そうなんです、あさがね農園のこだわりはすべて「無農薬」栽培であること。少しでも野菜を育てたことのある方ならわかると思いますが、無農薬ということは商売としては非常にリスキーな行為です。虫はすごいし、草はぼうぼう、できた野菜の形はたいがい不ぞろい。作り手にとっては手間ばかりかかります。
「でも」と続ける歩さん。「農薬をかけるぐらいなら、もうやめる、という気持ちでやっているんですよ」。ゆっくりと、しかし力強く放たれたこの言葉に、久々にしびれました。害虫と呼ばれるミノムシやカメムシ、カミキリムシだって子供たちは夢中になって喜んでくれる。これが本当の自然の姿だからと一緒になって「昆虫採集」するだなんてこれはもう、もうひとつの田舎、離れた我が家でしょう。「商売としては、もちろん赤字ですよ。でもたとえ少ないお客さんでも、丁寧に仕事をして、ひとりひとりの故郷になりたい。だから、続けているんです」。
…ああこの人好きだわ。日に焼けた顔で屈託なく笑う、まっすぐで嘘のない表情。ここに来たくなるのは、きっとこの笑顔に会いたくなるからなのでしょう。

ブルーベリー狩りからはじまって、さつまいも掘り、山菜採り、味噌作り、星空観察。豊根の自然と美味しいもの、そして人々の笑顔が出迎えてくれる、もうひとつの故郷がここにあります。


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